前回記事でマイコン化のメリット、デメリットを紹介しましたが、更に掘り下げてマイコン選ぶ際の重要なファクターを説明したいと思います。一般的にマイコンを用いたボードを検討する場合、用途や目的に応じたマイコンを選ぶところからスタートします。まず数値面で選定する際に重要視されるのは処理能力とスピードです。これに続いて消費電力、コストが続きます。コストが最優先という意見も有るかと思いますが、目的に見合った処理能力も調べずに検討などできませんから最初からコスト優先で選ぶ事などは不可能です。処理能力を示す単位として、まず「ビット」があります。4/8/16/32ビットと数字が大きくなるほど演算性能が高くなります。次に「コア」と呼ばれる頭脳部の数があります。コア数が増えれば同時処理の能力が高まります。
「ビット数」「コア数」は増えると性能は高まりますが、消費電力とコストが上昇する要素になります。また、「MHz」で表記されるスピードの数字も同様で大きくなると消費電力が著しく上昇します。従って数値面でマイコンを選ぶ場合、性能と相反するコストと消費電力を見据えなければなりません。次に用途面で重視されるのはアーキテクチャーと呼ばれる設計思想です。目的別の能力に直結する事からアーキテクチャーを選ぶ=製造メーカーを選ぶと言っても過言ではありません。詳細は割愛しますが、産業分野・民生分野・車載分野のそれぞれで普及しているマイコンが異なります。
製造メーカーも特徴を前面に出して他社との差別化を図っています。ただし、その状況も変わってきており、最近はゲーム機やモバイル機器をなどの民生分野においてイギリスのARM社(現在はSoftbank傘下)のアーキテクチャーの普及が著しく、特に32/64ビットの低消費電力アプリケーション向けは国内外のマイコンメーカーがこぞってライセンス契約を結ぶなど、これまで行われていた差別化政策とは逆の展開が図られています。
前記事でも紹介してます通り、PLCからマイコンへの移行は専門性は高くなるものの、数が見込めるアプリケーションにおいてはコスト面で大変有利となります。同時にブラックボックス化による機密性も高まります。マイコン化を検討の際は開発経験が豊富な弊社までご相談をお願いします。