PLC(シーケンサ)のマイコン基板化のメリットとデメリット3

東海電気電子設計.COMタイトル
高周波技術ハンドブック無料でお送りします 申し込みはこちら イプロス申し込みはこちら

HOME > 技術セミナー事務局長のつぶやき一覧

事務局長のつぶやき

PLC(シーケンサ)のマイコン基板化のメリットとデメリット3

2018年09月28日(金)

PLCをマイコン基板化する場合の留意点

何度かマイコン基板について紹介させて頂いておりますが、マイコン基板にはデバイスメーカーが供給するマイコンチップを用いて回路から開発したオリジナル基板ベースの専用品と、ArduinoやRaspberry Piを代表とする通販や店頭で購入可能な汎用品がに大別されます。
弊社の推奨は、当然前者です。専用品のマイコン基板を開発するにあたり念頭に置かねばならない事項を紹介します。

・専用品は、用途・目的に応じて特化しているため、他への流用は出来ません。
・プログラムは、機械語ベースであるためラダーよりも高い開発スキルが必要です。
・プログラム開発を自社で行う場合、専用の開発ツール・機器の用意が必要です。
・末端のマイコン基板利用者に対しては、プログラムのソースは公開しません。
・現地でのプログラム変更は、予め準備したプログラムへの書き換えが主です。

PLCと異なりマイコン基板は、末端の利用者に対しプログラムがブラックボックスです。
末端のユーザーが設定可能なのは、プログラム上で予め設定項として用意されている機能のみとなり、機能の追加や動作の変更に関しては、設置者側でプログラムを変更して対応します。

実際にPLCをマイコン基板化した場合の費用感

具体的にどれくらい費用が掛かるのか?との質問を頂く事が多いので具体例を元に紹介します。
マイコン基板の開発費は、マイコン選定~回路設計~プリント基板設計~専用プログラム開発~機械実装の準備~検証にかかる費用を合計した初期費と、部品代と製造費用を合計した試作機代の合算で構成されます。
特にこの開発費が初期投資の費用となりますので、PLCと異なり全く汎用性を持たない専用ボードの開発がふさわしい投資になるか、企画の時点で判断を行う必要がご有ります。具体的な開発事例は次の通りです。

【開発目標】K社製PLCのKV-5000の「特定機能」を専用マイコン基板化してブラックボックス化
【開発仕様】RS232Cを2ch、デジタルI/Oポートin16ch/out16ch、アナログポートin2ch/out未
【試 作 機】2台製作(ケースや操作パネルは含まれていません)

上記の内容でマイコン基板を開発した場合の開発費は、ざっくり600万円前後です。
この開発費を企画する台数で割って1台あたりの単価がPLCより安価に収まるかご確認を頂ければと思います。(注:プログラムが高度かつ複雑化した場合は、更に上昇します)
以前のコラムでも紹介しました通り、価格以外のメリットも有りますので、ぜひご検討をお願いします。お問い合わせフォーム

**関連ページ**
PLC(シーケンサ)のマイコン基板化のメリットとデメリット1
PLC(シーケンサ)のマイコン基板化のメリットとデメリット2
PLC(シーケンサ)のマイコン基板化のメリットとデメリット3

PLCのマイコン基板化の勧め1
PLCのマイコン基板化の勧め2
PLCのマイコン基板化の勧め3
PLCのマイコン基板化の勧め4
PLCのマイコン基板化の勧め5

PLC(シーケンサ)のマイコン基板化について1
PLC(シーケンサ)のマイコン基板化について2
PLC(シーケンサ)のマイコン基板化について3
PLC(シーケンサ)のマイコン基板化について4
PLC(シーケンサ)のマイコン基板化について5

« 前ページへ
次ページへ »