新スプリアス規格の目的とその影響について
無線に関わりが有る方は既に「新スプリアス規格」の事はご存じであると共に必要なご対応は行われているものと思います。
今回は、まだご存じで無い方もいらっしゃると思いますので、この規格の目的とその影響について説明を致します。
■新スプリアス規格とは?
まずスプリアスの意味を説明します。日本語で一言で表記すると「不要発射電波」になります。
電波を通信に使用する場合、周波数を設定します。設定した周波数を前後して一定の幅にも電波が出ており、この電波の出ている部分を周波数帯域と称します。
周波数帯域内において中央の内側を必要周波数帯とした場合、その外側がスプリアスとなります。
上記画像をご覧の通り、周波数を横列に、送信電力(パワー)を縦列にして視認化すると設定した周波数を頂点として富士山の形状になります。
■新スプリアス規格の目的は?
2005年に新スプリアス規格が施行される以前は、スプリアスに関する規定が緩く、山に例えると麓(ふもと)の部分が広く張り出したり宝永山のように山が出現するなど隣接する周波数に対し混信を与え易い要素が有りました。電波の利用者が少なかった時代は隣接した周波数を使わない運用で混信を回避ができましたが、電波の利用が過密化してくる将来は運用による回避が困難になるとの予測から世界無線通信会議(WRC)がスプリアス規制の制定を行い、日本もこれに合わせて新スプリアス規格の施行に至りました。
■新スプリアス規格の影響は?
正式な名称ではありませんが、無線機器の業界では新スプリアス規格による技適が適用された機器を新技適、適用以前の機器を旧技適と称して区分しています。既に旧技適機は、例外無く2022年11月30日までには全ての利用を停止する事が定められています。
利用を停止しなかった場合については、罰則の適用が有り、100万円以下の罰金または、5年以下の懲役となります。
無線機器の業界では重大な問題として捉えられており、これを「2022年問題」と称しています。
■影響を受ける機器は?
最も影響が受けるのは、旧技適(2005年11月30日以前の技適)で認証を受けた無線機器です。古くから利用が有る無線機器には注意が必要です。
・組込用無線モジュール
・ETC車載機
・PHS
・ワイヤレスマイク
・業務無線機(特にアナログ機は要注意)
・アマチュア無線機
・特定小電力トランシーバー
なお、新スプリアス規格は、2005年12月に施行されていますが、2010年代以後も新技適を取り直さず旧技適のまま生産や販売が行われている無線機器も存在していましたので、購入時期だけで新技適であるとの判断は出来ません。
ざっくりですが、5年以上使用している無線機器が有りましたら新技適が取得されているか確認する事をお勧めします。
新技適の判別は技適マークだけでは出来ません。製造メーカーに問い合わせましょう。
(1995年3月以前の技適マークは間違いなく旧技適になります)
■参照ホームページ
無線機器のスプリアスの規格が変わりました
旧スプリアス規格の無線機器への対応に関するQ&A
以上です。
新技適の取得に関します事は、こちら迄ご相談下さい。
WEB技術セミナーのお申し込み状況②
コロナウイルスの感染が収まらない中、浜松市では日本での最高気温タイとなる41.1℃を記録しました。
サウナの中にいるような状況で、本当に危険だと感じました。
日本全国で暑い日が続いておりますので、熱中症にもご注意をお願い出来れば幸いです。
WEB技術セミナー受講お申し込みも皆様にはご好評をいただいておりますが、ほぼ定員100名の参加お申し込みになっておりますので
お申し込みの際はご相談いただければと思います。
次回8月27日(火)は株式会社ウエノ様を講師に『ノイズ対策のためのコイル活用方法』ですのでお楽しみに!!
当日ご参加いただけない方は、録画データを視聴出来るように検討しますので、ご希望の方はご連絡いただければと思います。
■WEB技術セミナー年間スケジュール
http://toukai-denkidenshi-sekkei.com/seminer/schedulel.html
よろしくお願い致します。
920MHzLoRaを用いたIoT環境センシングシステム
弊社は電子部品の販売と電子機器の設計開発・製造の他、920MHzLoRaの無線技術を用いたセンシングシステムの提案と関係機器の販売を行っております。今までIoTと言えば製造現場の「見える化」を示す事が多かったのですが、最近は省力化・無人化を目指す農業分野にも波及しています。
これらIoT環境センシングシステムについて弊社では、幅広いセンサーのラインアップする(株)アイエスエイの WD100シリーズ(ももことあやか)を推奨しています。
■WD100(ももことあやか)
WD100は、専用のセンサーを用いて温度/湿度/照度/水位/CO2濃度/接点入出力のデータを収集する環境センシングシステムです。単にデータを収集するだけでなく予め設定した閾(しきい)値にデータが到達した場合、これをトリガーにアクションを発生させる事も可能です。(例:設定した温度に到達したら電動ファンをONする等)
詳しい情報は下記の画像をクリックして(株)アイエスエイのホームページにてご確認下さい。
WD100で収集したデータを活用するためのプラットフォームについては WD100を設置した当日から利用ができる機器・サービスを用意しております。
構内・敷地内のネットワークでデータの活用をご希望の場合は (株)アイエスエイが提供する「SMART-View」、遠隔地でデータの活用をご希望の場合は マスプロ電工が提供する「MASPRO IoT Cloud Service(LR)」をそれぞれ推奨します。
■SMART-View
SMART-Viewは、WD100シリーズの計測データを連続保存しながら可視化しデータ解析をするための専用NASです。WD100(LAN版)を接続したネットワークに設置して使用します。
高速なSSDとソフトウェアで構成されていますので、オンプレミス環境で手軽にデータの活用が可能になります。
詳しい情報は下記の画像をクリックして(株)アイエスエイのホームページにてご確認下さい。
■MASPRO IoT Cloud Service(LR)
こちらは、TVアンテナや共聴システムで知られるマスプロ電工(株)が LPWAを用いたセンシングシステム向けに展開する定額クラウドサービスです。WD100で収集したデータは、クラウド上にて集約、蓄積、一元管理が行われますので、遠隔地の設備の可視化やデータ活用にお勧めします。
利用料金は、接続する端末やアカウントの数に応じて定額料金が設定されます。
詳しい情報は下記の画像をクリックしてマスプロ電工(株)のホームページにてご確認下さい
ご紹介しました上記の製品およびサービスは、弊社からご案内致します。
お問い合わせフォームまでご相談下さい。